プレスリリース

【 2021年 】

9月14日(火)、「冠動脈攣縮に対する世界初の超音波治療の開発 -リンパ管新生を介した抗炎症作用の関与-」 と題してプレスリリースを行いました。

 冠攣縮性狭心症は、繰り返す胸痛発作や突然死の原因となることが知られています。東北大学大学院 医学系研究科 循環器内科学分野の下川 宏明(しもかわ ひろあき)客員教授、安田 聡(やすだ さとし)教授、松本 泰治(まつもと やすはる)前講師、進藤 智彦(しんどう ともひこ)講師、西宮 健介(にしみや けんすけ)助教、渡辺 翼(わたなべ たすく)医師らの研究グループは、、冠攣縮のブタモデルを用いた検討により、低出力パルス波超音波(low-intensity pulsed ultrasound、LIPUS)が、冠動脈外膜のリンパ管新生を促進し、抗炎症効果を発揮することで治療効果をもたらすことを初めて明らかにしました。本研究によりLIPUS治療のさらなる臨床応用が期待されます。

本研究成果は、2021年9月13日午後2時(現地時間、日本時間9月14日午前4時)にPLOSONE誌(電子版)にオンライン掲載されました。

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9月6日(月)当科の研究成果「冠動脈疾患治療における新たなエビデンス -抗血栓療法は出血させないことが重要!-」をプレスリリースしました。

 宮崎大学医学部内科学講座循環器腎臓内科学分野海北幸一教授(元熊本大学大学院生命科学研究部循環器内科学准教授)、熊本大学小川久雄学長(元国立循環器病研究センター理事長)、東北大学大学院医学系研究科循環器内科学安田聡教授(元国立循環器病研究センター副院長)、熊本大学病院総合診療科松井邦彦教授を主要メンバーとする日本人研究グループは、心房細動を合併した安定冠動脈疾患患者における大規模臨床研究であるAFIRE研究(Atrial Fibrillation and Ischemic events withRivaroxaban in patiEnts with stable coronary artery disease Study)のサブ解析結果を公表しました。

AFIRE研究は、本邦の294施設が参加して行われた心房細動を合併した安定冠動脈疾患患者のランダム化比較試験で、登録総数2,240例中、熊本大学からは29例が登録されました。今回の研究では、約2年間の観察期間中の脳心血管イベント(脳卒中、全身性塞栓症、心筋梗塞、血行再建術を必要とする不安定狭心症、総死亡の複合エンドポイント(評価項目))と、出血性イベント(ISTH(国際血栓止血学会)基準による重大な出血性合併症)が検討され、重大な出血性イベントの発生がその後の脳心血管イベント発症の引き金になることが明らかになりました。

本研究論文は、循環器領域のトップジャーナルであるCirculationの姉妹誌「Circulation: Cardiovascular Interventions」オンライン版に米国東部標準時の2021年9月3日午前5時(日本時間9月3日午後6時)に掲載されました。

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5月27日(木)当科の研究成果「不明な点が多かった微小血管狭心症の実態を明らかに -世界初の7ヶ国参加大規模国際共同研究からの知見-」をプレスリリースしました。

 狭心症の原因として、従来から考えられてきた動脈硬化性の冠動脈狭窄や冠動脈攣縮に加え、近年、冠微小血管の機能異常による微小血管狭心症が新たな病態として注目されています。

 当科の下川宏明客員教授らの研究グループは、国際診断基準により微小血管狭心症と正確に診断された患者を世界7ヵ国14施設から合計686名登録し、その臨床像や長期予後について調査しました。その結果、これまで主に女性の病気と考えられていた微小血管狭心症が男性にも認められること(男女比=約1:2)、年間の心血管イベントの発生率が約7.7%と決して良性の疾患ではないこと(予後に性差なし)、女性患者は、男性患者に比し、症状による生活の質(quality of life, QOL)の低下が顕著であること、欧米人患者はアジア人患者に比し心血管イベントの発生率が高率であるが危険因子等で補正すると人種差が消失することなどが明らかになりました。

 本研究は、診断方法や予後予測因子が未だ確立されていない微小血管狭心症の臨床像、長期予後を国際共同研究で初めて明らかにした重要な報告であり、予後不良群の層別化や新たな治療法の開発などへつながることが期待されます。

 本研究成果は、2021年5月27日午前5時(現地時間、日本時間5月27日午後1時)European Heart Journal誌(電子版)にオンライン掲載されました。また、ヨーロッパ心臓病学会は、本研究結果の重要性に鑑み、異例なことですが、学会自身がプレスリリースを行いました。

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3月3日(水)当科の研究成果(超音波治療による血管-神経新生作用を発見 ―脳梗塞後の神経機能回復のための新しい治療法へ期待―)をプレスリリースしました。

 脳に梗塞が起きると一部の脳領域で神経が新生し、損なわれた機能を補完しようとすることが報告されていますが、この神経新生を効果的に誘導する治療法は未だ確立されていません。東北大学大学院 医学系研究科 循環器内科学分野の下川 宏明(しもかわ ひろあき)客員教授、安田 聡(やすだ さとし)教授、進藤 智彦(しんどう ともひこ)助教、一條 貞満(いちじょう さだみつ)医師らの研究グループは、マウス脳梗塞モデルにおいて、低出力パルス波超音波(LIPUS)が血管-神経新生を促進し、脳梗塞に対して治療的効果を発揮することを明らかにしました。下川教授らは、現在、認知症患者に対するLIPUS治療の効果を検証する医師主導治験を実施しています。本研究によりLIPUSのさらなる作用機序が解明され、今後、脳梗塞などの神経疾患に対してもLIPUS治療が応用できる可能性が期待されます。

 本研究成果は、2021年3月2日午前10時(現地時間、日本時間3月2日午後7時)Scientific Reports誌(電子版)にオンライン掲載されました。

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