CHART-2研究

 心不全とは、心臓が悪いために、息切れやむくみが起こり、だんだん悪くなり、生命を縮める病気です。心不全がゆっくり進む場合を慢性心不全と呼びます。慢性心不全は全ての心血管病の終末像であり、その予後は不良です。日本は世界でも有数の高齢社会であり、高齢者に多い病気の慢性心不全の入院患者数は増加傾向であることが、循環器疾患診療実態調査(The Japanese Registry of All cardiac and vascular Disease; JROAD)で明らかになっています。(Yasuda S, Miyamoto Y, Ogawa H. Circulation 138: 965-967, 2018)

 当教室では2000年から日本における慢性心不全の特徴や予後を明らかにすべく、慢性心不全の前向き観察研究:東北慢性心不全登録(CHART-1研究)を開始し、2006年からは心不全発症予防や増悪を防ぐため日本でも最大級の慢性心不全の前向き観察研究:CHART-2研究(NCT00418041)を開始しました。(図1) CHART-2研究では東北地域の約24関連施設とともに東北心不全協議会を組織し、10219例を登録し2020年3月末までの予後を追跡終了しました。(図2) 現在は1万人10年の経時データ取得の完遂と得られたデータを基に、日本から世界へエビデンスの発表を行っています。


図1

CHART-2_1


図2

CHART-2_2