⑦心臓弁膜症

心臓弁膜症とは

心臓は、左心房、左心室、右心房、右心室の4つの部屋からなります。体内を流れる血液は、肺→左心房→左心室→全身→右心房→右心室→肺という回路の中をぐるぐると回り、体中に十分な栄養と酸素を行き渡らせています。このような血液の流れは、基本的に一方通行で、逆向きには流れないようになっています。
心臓のそれぞれの部屋の出口には逆流防止のドアである「弁」がついています。この弁が故障すると、ドアが十分に開かず血液が出て行くことができない「狭窄症」や、ドアがきちんと閉まらずに血液が戻ってしまう「逆流症(もしくは閉鎖不全症ともいいます)」が起きます。
これらの病気をまとめて、「心臓弁膜症」といいます。

心臓弁膜症の種類

大動脈弁逆流症(閉鎖不全症)、大動脈弁狭窄症、僧帽弁逆流症(閉鎖不全症)、僧帽弁狭窄症などがあります。

心臓弁膜症の症状

はじめは無症状のことが多い病気です。しかし、異常な状態が続くことにより、心臓がよけいな仕事をしなければならないため負担が増えていきます。このような状態が長く続くことが、心不全の原因となります。息切れや脱力感などの症状で始まり、動悸(ドキドキ感)、動作時の息切れ、呼吸困難(ぜいぜい)、体のむくみ、体重増加などがあります。さらにひどくなると、夜に突然息苦しくなって目が覚めたり、安静時にも呼吸困難が生じます。

心臓弁膜症の検査

はじめに胸部レントゲン写真、心電図、血液検査などを行います。心臓超音波検査は非常に有用な検査で、非侵襲的(痛みを伴わず)に心臓の動きを見ることができます。また、より詳しく調べるために、心臓カテーテル検査を行うこともあります。

心臓弁膜症の治療

検査の結果、軽症であればお薬での治療となります。しかし、心臓カテーテル検査の結果などで、重症であることがわかった場合には、故障しているドアを修理するカテーテル治療や、ドアを取り替える手術が必要になることもあります。