冠攣縮性狭心症

冠攣縮性狭心症の病態解明

 冠攣縮とは突然の冠動脈内腔の狭小化により一過性に血流が低下し心筋虚血を引き起こす病態 (Supply/primary ischemia)です。冠攣縮は、異型狭心症のみならず、その他の全ての種類の狭心症や急性心筋梗塞症、心臓性突然死などの虚血性心疾患全般の発症に重要な役割を果たしています。基礎医学的には、冠動脈攣縮の分子機構にRho-kinaseの活性化が深く関与していることが明らかにされており、今後の応用・展開が期待されています。


冠攣縮研究会

 冠攣縮は特に日本人の虚血性心臓病の成因に極めて重要であると考えられることから、この病態に対する基礎的・臨床的見地冠攣縮研究会から最先端の研究を行うことを目的に、2006年8月に「冠攣縮研究会」が発足いたしました。東北大学、熊本大学を中心に、全国68の第一線の施設にご参加いただいております(下図)。本研究会事務局は当科に設けられ、日本心臓財団より研究助成を受けて運営されております。現在、以下の研究テーマ毎に7つの分科会にて活動を行っております。

  1. 誘発試験・診断基準の標準化
  2. 治療法の標準化・難治例に対する治療法提案
  3. 後ろ向き集積による全国調査研究
  4. 血管内超音波を用いた血管病変解析・冠動脈内心電図の応用
  5. 前向き予後調査・レジストリ研究
  6. SNP解析
  7. 人種差に関する国際共同研究

冠攣縮研究会