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1. 超音波治療について

 超音波は、40年以上前から、心エコー検査や腹部エコー検査として世界中の医療現場で使われています。その安全性も確立しており、妊婦や小児をはじめ、あらゆる方に広く使用されています。
 今回行われる超音波治療では、超音波を当てる条件を、診断用の設定からわずかに変更することで治療装置へ応用し、治療を行います。治療に用いられる超音波の出力は、診断に用いられる範囲内の出力ですので、安全性も問題ないと考えられます。実際、整形外科では骨折の治療にも用いられています。
 近年、認知症に対する超音波治療が注目されており、動物実験でその有効性と安全性が報告されております。東北大学病院の循環器(じゅんかんき)内科においても、脳血管性認知症とアルツハイマー型認知症の動物実験において、低出力超音波の全脳への照射が認知症の進行を抑制することを確認しました。さらに、この超音波治療を行なったマウスには明らかな合併症を認めませんでした。もし、この超音波治療の効果や安全性がヒトの認知症に対しても認められれば、これまでの薬物療法とは別の新たな認知症治療法となることが期待できます。

超音波治療について

2. どのような人が参加できますか?

 治験に参加していただけるのは、参加基準の項目のすべてにあてはまる方です。しかし、同意していただいた後でも、検査の結果によっては参加いただけない場合もありますのでご了承ください。
 また、除外基準の項目に一つでも当てはまる方は、本治験には参加いただけません。

3. どのように治療が行われるのですか

①方法など

 今回の治験では、各検査の結果から参加いただけるかどうかを確認した後に治験機器による超音波治療を開始します。この治験は、二つの期間に分かれており、「装置の性能と安全性」を評価する「①最初の期間」と、二群に分かれて実際に治験を行う「②治験治療期間」があります。「②治験治療期間」では、患者さんは実(じつ)治療群(ちりょうぐん)(実際に超音波治療を受ける)と偽治療群(ぎちりょうぐん)(超音波が出ないように設定した装置を用いるので、超音波治療を受けない)のいずれかに、無作為(むさくい)に(誰の意思にも影響されることなく、偶然にまかせて)割り当てられます。どちらの群になるかは担当医師にも患者さんにもわかりませんし、選ぶこともできません。
 偽治療群を設定する理由は、有効な治療を行っていないにも関わらず、「治療を受けた」という先入観・思い込みから認知機能の改善効果がでてくることがあるため、そういった先入観などによる影響を受けずに超音波治療の有効性や安全性を確かめるのが目的です。そのため、どちらの群になったのかも、患者さんやそのご家族(代諾者やパートナー)、この治験の評価を行う医療関係者には知らされません。これは、試験の結果を公平に判断するために行われる一般的な方法です。

②スケジュール

「装置の性能と安全性」を評価する「①最初の期間」の場合
二群に分かれて実際に治験を行う「②治験治療期間」の場合

5. 副作用などありませんか?

 この治験で使用する治験機器は、現在一般的に使われている超音波診断装置を改良したものです。治療に用いられる超音波の出力は、診断に用いられる範囲内の出力ですので、安全性も問題ないと考えられています。しかし、これまで超音波診断装置の通常使用において、超音波を当てるプローブの温度上昇による低温やけどの発生が報告されております。また、軽度アルツハイマー型認知症および軽度認知機能障害に対する超音波治療は世界的にみてまだ始まったばかりの試験段階ですので、予想しないことが起きる場合や、期待される効果が認められない可能性は否定できません。