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教授ご挨拶

教授下川宏明
教授下川宏明

東北大学大学院医学系研究科循環器内科学および東北大学病院循環器内科のHPをご訪問いただき、有り難うございます。当教室は、循環器疾患の病態の解明やそれに基づく先進医療の開発研究を行いながら、明日の日本の循環器医療・循環器病学を担う人材を育成するとともに、最先端の医療の実践を通じて地域医療やわが国の医療に貢献しております。


1.当教室の沿革

 東北大学循環器内科学分野/循環器内科は、大正2(1913)年に設立された旧第一内科を母体とし、90有余年の循環器病学の歴史と伝統を有する臨床医学教室です。平成10(1998)年の大学院重点化に伴い、医学系研究科(教育、研究)においては循環器内科学分野として、大学病院(臨床)においては循環器内科として、新たに歩み始めました。初代の熊谷岱蔵(たいぞう)先生(1913-1942)に次いで、大里俊吾先生(1944-1950)、中村隆先生(1951-1972)、滝島任先生(1972-1992)、白土邦男先生(1992-2005)が主宰され、私が6代目になります。

2.当教室の運営方針について

 私は、平成17(2005)年に着任いたしましたが、教室を、多くの若者が集い学び、また全国から多くの患者さんが受診されるような、わが国を代表する循環器内科学教室の一つにしていきたいと考えております。以下に、臨床・研究・教育の方針について述べます。
 臨床の方針として、虚血性心臓病(狭心症や急性心筋梗塞)・心不全・不整脈・肺高血圧症・心筋症など、幅広い循環器疾患に対して最新の高度医療を実践することを心がけております。また、東北大学病院が心臓と肺の両方の臓器移植が認定されている全国で2つの医療機関のうちの一つであるところから(他の一つは大阪大学病院)、本院の社会的使命を果たすべく、積極的に東日本各地から重症の心不全や肺高血圧症の患者さんを受け入れております。さらに、基礎研究の成果を臨床応用する、いわゆるトランスレーショナルリサーチ(橋渡し研究)の実践を基本方針とし、体外衝撃波を用いた非侵襲性血管新生治療(臨床試験中)や肺高血圧症に対する分子標的治療(準備中)などを開発してきています。結果的に当科の臨床レベルは高く、こうした環境の中で、地域医療やわが国全体の医療に大きく貢献できる人材の育成に心がけています。
  研究の方針では、常に世界に真価の問える独創性のある研究を行うことを心がけています。また、上記しましたように、常に臨床応用を目指したトランスレーショナルリサーチを行うことを基本方針としています。当科では、遺伝子や分子レベルの研究から、小動物(マウス・ラット)、大動物(ブタ・イヌ)、臨床研究(病棟や心カテ室での研究)、大規模臨床疫学研究(東北地方・全国)まで、全てのレベルで研究を行っており、こうした大学院教育研究等を通じて、将来のわが国の循環器病学を担う人材を育てていきたいと思います。
  教育の方針では、卒前の学部教育から卒後の臨床研修までの一連の連続した教育過程を視野に入れつつ、単に医学知識・技術の伝授ではなく、病める人の気持ちや痛みを共感できる医師を育成することを心がけています。また、一人一人の個性や希望を尊重してそれを伸ばす教育研究を行うことも重要であると考えています。
 当教室は、現在、研究・臨床・教育の全ての面において、大変明るい雰囲気の中で教室員が一丸となって仕事を行っております。今後も、教室員と共に、教室のさらなる発展、人材の育成、地域医療への貢献に努めて行きたいと考えております。

3.患者さんへのメッセージ

 当科は、わが国において最高水準の循環器医療を提供する医療機関の一つとしての役割を果たしています。対象は、虚血性心臓病(狭心症、急性心筋梗塞)・心不全・不整脈・肺高血圧症等、全ての循環器疾患に及び、開発中の先進医療も含めて、最高水準の医療を行っております。臨床スタッフは豊富な経験を有しており、常に活発な意見交換を行いながら、患者さん一人一人に最適な治療法を選択し、十分な説明を行った上で、実施しております。こうした充実した環境の中で若い医師が育っております。また、高度救急救命センターを通じて、心臓病の救急の患者さんを、年間を通して24時間体制で受け入れております。さらに、当院が心臓および肺の臓器移植の認定施設であるところから、各地から、重症の心不全、肺高血圧症等の患者さんが紹介されてきておりますが、我々がこうした重症の循環器疾患の最後の砦の役目を担っていることを強く自覚し、使命感を持って日々の診療に当たっております(詳細は、本HPの「患者さんへ」をご覧下さい)。
  当科の診療の基本方針は、患者さん本位の医療を行うことです。私は、米国で最もそうした医療を実践している医療機関の一つであるメイヨークリニックに留学し、その実際を見聞してきました。勿論、米国の医療にもわが国が参考にできる点とそうではない点がありますが、患者さん一人一人に最適の医療を行い、逆に不必要な医療(検査・治療)は行わない基本方針は非常に重要です。私は、教室員に、受け持ち患者さんの検査・治療方針を立てる際はその患者さんを自分の肉親と思うようにと、指導をしております。私は長年医療に携わってきましたが、この考え以上にブレない確かな診療指針を知りません。
 現在、わが国の医療体制には多くの問題が噴出し、医療崩壊を危ぶむ声が増えています。先行きが非常に不透明な状況で、一般市民の方々の不安も増大しています。しかし、こうした時代こそ、医療の原点を忘れず、患者さん本位の医療を実践していくことこそが、最良の解決策であると信じております。
 どうぞ、東北大学病院や当科を信頼して受診していただきますよう、お願い申し上げます。

4.学生・研修医の皆さんへのメッセージ

 皆さんは、一人前の医師になるべく、現在、学部教育あるいは卒後臨床研修を受けています。医学部に入学した動機は人によって異なると思いますが、医師という職業は本当にやりがいのある職業だと思います。それには多くの理由がありますが、なかでも、医師という職業は、人間の生老病死に関わり、人間とは何か、人生とは何かを深く考える(あるいは考えさせられる)ことができるからです。また、人として、他者を助ける行為ほど尊いものはないと思いますし、医師はそれができる職業の一つです。
 医師の専門分野の価値に勿論高低はありませんが、循環器内科はやりがいのある分野の一つです(図)。超高齢化社会を迎えて今後ますます心血管病が増加することが確実な点はその明白な理由の一つですが、人体の生命機能の根幹を支えていること、あるいは人の一生に長く関わることができる点もその理由です。循環器専門医は、生活習慣病(高脂血症・高血圧・糖尿病等)の管理から、聴診法・心電図・心エコーなどの診断技術、薬物療法、カテーテル検査・治療、そして救急救命手技まで幅広い知識・技術を身につけることができ、臨床医としての充実感を最も味わうことのできる専門分野の一つです(図)。

 本HPの「教室紹介」の項に詳しく紹介していますが、当科は高い臨床レベルに加えて、研究活動も活発に行っており、研究論文を毎年世界の一流誌に発表しています。良き臨床医になるためには、医療技術の習得のみでは不十分で、病態を深く理解することのできる医師になることが重要です。そのためには、若い時期に数年間研究の経験を積むことは極めて有用であると考えています。
  卒後研修についても一言述べます。卒後研修の順序は、担当した個々の症例の病態を深く勉強する段階をまず経験しそうした医師としての姿勢を身につけてから、次のステップとして症例数をこなす経験を積むべきです。この順序が逆であっては、臨床医としての成長は期待できません。したがって、勉強する時間も比較的余裕があり、幅広い疾患にわたり多くの先輩医師のチェックやアドバイスを受けることのできる大学病院こそ、卒後研修には最も適していると思います。なかでも、東北大学病院はよく練られた柔軟な卒後研修プログラムを複数設けており、現在、病院全体として熱心に卒後研修に取り組んでいます。
 是非、東北大学や当教室を自分のキャリアアップの場とすることを検討してみて下さい。

5.当教室のHPについて

 当教室は医学系研究科や大学病院のHPでも紹介されていますが、当教室に関する情報をより迅速に提供する目的で本HPを開設いたしました。このHPを通して、地域や全国に当教室発の情報を迅速に発信していきたいと思います。当科を受診中の患者さんや受診を考えておられる患者さんは、今後いろいろな医療情報を提供していきますので、是非、ご覧下さい。また、当科での研修や当教室への入局を検討中の学生・研修医の方は、今後いろいろな医学教育・研究、最新医療等の情報を提供していきますので、是非、定期的にご覧下さい。当教室に関するお問い合わせ・ご意見等はいつでもお寄せ下さい(詳細は、本HPをご覧下さい)。

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